ナポレオン3世は黒い色のオブジェや装飾品が好きだったんですね。
黒い額、黒い椅子、黒い十字架、黒いオブジェ、黒い装飾品。
1850-1870年あたりの年代としては、とても斬新なデザインだったのでしょうね。
それまでの金をたくさん使った装飾やゴテゴテしたものとは違い、どこかクールで質素な感じさえします。
一言で言えば渋い。
この渋さは現代にも通じる美しさだと思います。
この黒いパニエ(カゴ)は繊細に編んであり、素材も繊細なので痛みやすいものではあります。
それゆえにあまり市場に出てこないお品でも有ります。
このナポレオン3世タイプの黒いカゴがいくつも捨てられてしまったのだろうな・・・と考えるともったいない。
また残っているものは大変貴重なものになるでしょう。
留め具にはBBのモノグラム。
この三つ編みのような持ち手がまた大変美しく。
繊細で軽い作りなんです。
若い可憐なお嬢さんを扱う(お嬢さんを扱うって私が言うのもなんだか変ですが)感じで、大切に接しないとなりません。
革製の留め具は切れ。
裏も切れ、
底には穴が。
南仏の蚤の市にて、一度手にとっては見たものの、状態がよろしくない。
と思って一度去りました。
お店のマダムは「何言っているのこれはとても保存状態の良いものよ!」と言い張ります。
確かに状態が悪いと認めれば、安くはしていただけたのでしょう。
でも安くなりませんでした。笑
という事はかなりの自身。
もしくは私がなめられているのか。笑
それでもやはり気になって、これだけ美しいパニエに南仏で出会うことはあまりないな・・・と思って仕入れました。
このパニエは普段使い用だったそうですが、お買い物、多分マルシェ(朝市)とかのことだと思いますが、お買い物に使われていたそうです。
こんなに繊細な作りなのに、こちらでは田舎風パニエとも呼ばれています。
確かにこんな繊細な作りで、保存状態の良いまま残っている方が不思議です。
まったく使用しなかったなら別ですが。
現在このナポレオン3世スタイルのパニエを保存する会のようなものがあるらしく、レプリカを製造しているアトリエがフランスに有ります。
ですので大変状態の良いものを見かけるときがたまにあります。
でもこのように古ぼけたものこそが本物。
風格が全然違います。
インテリアとして大変絵になるお品です。
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