フランスにいながらにして、なぜにイギリスの食器?
とお思いになるかもしれません。
そもそもイギリスのアンティークの食器に興味を持ち始めたのが、フランスのアンティーク屋さんが取り扱っている食器のなかに、「窯が不明」なものがあったからです。
どこの窯かは不明と言われるならまだしも、どうしてそんな風に断言ができるのか分かりませんが「クレイユだよ」とか「ポントシュー」と知ってか知らずか間違えたことを言ってしまうフランス人が多い事。
それはアンティーク業者でもあり得ることなんですが・・・。
フランスにあるアンティークの食器だからフランスの物、と思ってしまいフランスの似たような窯をがしてこじつけているのでしょうかね。
この美しいレースのようなカットワークのされたお皿。
これはクレイユ、と言われて購入しました。
クレイユではなくても美しいので仕入れていたと思います。
ただ、どうしてもクレイユじゃないんじゃないかな?と思い始め調べてみると。
どうやらイギリスのLeeds窯のアンティークのようなんです。
Leeds窯は今でも生産を続けていて、同じタイプのお皿を作っていることから分かりました。
側面のレリーフも素敵です。
きっとこの花形リムのお皿の形がクレイユモントローににているから、そうだと思ったのでしょう。
確かにカットワークと側面のレリーフのないシンプルなクレイユのものは南仏のアンティーク市で見たことがあります。(お高くて仕入れはできませんでした。苦笑)
なぜ、イギリスとフランスの同じころの食器に似たようなデザインのものがあるのか、と言えば、もともとは陶器製の食器の生産イギリスのほうが先端を行っていましたので、フランスが真似をしたという事になります。
刻印がないのも18世紀の特徴で、刻印なるものが現れたのはフランスでは19世紀の初めごろなんだそうです。
イギリスでは18世紀中頃からだと思います。
そしてこちらもレース状のカットワークが大変美しく、また心温まるようなクリーム色が素敵なお皿。
これには刻印があり、古いウェッジウッドのものだと分かります。
19世紀の前半ではないかと思います。
スタンプ式のマークではなく、このようにシンプルな刻印が時代を表しています。
こちらも、窯が不明。
もしくはキュノワの産地のForges Les Eauxあたりのものではないか、と言われたものです。
やはりフランス人の売主から仕入れたものです。
とてもかわいらしい、細かな花形のレリーフ。
思わずウフっとにやけてしまうような美しさです。
何枚か仕入れたうちの一枚だけに刻印が見られました。
どうやらWOODの文字が刻印されているようです。
ただ、不明なのはイギリスにはWOODのつく名前の窯がた~くさんあって、今のところはっきりした窯は分かっておりません。
クリームウェアなのは確かです。笑
そのうち分かりましたら追記しておきますね。
軽くてマットな感じが19世紀前半のファイヤンスっぽくて、不思議な魅力のあるお品です。
そしてこちらは小さなミニチュアのスーピエール。
おままごと用です。
19世紀のウェッジウッドのもの。
今のところクリームウェアは品数が少ないのですが、これからも出会える機会があれば仕入れて行きたいと思っています。
売主のいう事に疑問を持ったら、調べてみないと気が済まないたちのイデコです。
売主の言ったことが正しいと思えば、そのまま同じことを皆さまにお伝えさせていただいています。
その中には正確ではない情報もあるかもしれません。
言いたいことは、他のアンティーク業者さまも売主のいう事を鵜呑みにしないで、一度調べてみてください。
思っていたのと全然違う事が見つかったりしますよ!
またまた、
http://grenier-ideco.blogspot.fr/2012/02/blog-post.html
ポントシューて何?とおっしゃいます方は↑こちらのブログに書いていますので、ご覧下さい。
このポントシューの花形リム、花柄レリーフのお皿はイギリスのものを真似したものだったんです。
その当時イギリスではイギリス王室の為のクイーンズウェアとしてクリームウェア陶器が作られていました。
とても洗練された食器たちをフランス人もうらやましく思ったのでしょう。
それまでは銀食器や良くてもピューター製のものを食器に使っていたフランスの貴族が18世紀にイギリスのクリームウェアに真似た食器を作り始めます。
これはフランスでだけではなくリュクサンブール、オーストリアなどの君主制の国中で同じことが行われていました。
ですので、18世紀~19世紀の初めまではポントシューかな?と思うとリュクサンブールの物だったりリュネビルの古いものだったり、ウェッジウッドかな?と思うとオーストリア製だったりと見分けが大変難しいお年頃なんです。
イギリスの元祖クリームウェアは大変美しいものが多いですので、是非とも皆さんに知っていただきたいと思っています。(^^)
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