裏が黒い事からお尻が黒いキュノワなんてちょっといたずらっぽい名前が付いています。
18世紀~19世紀にかけて北フランスのノルマンディー地方のルーアンやフォルジュレゾーあたりから、南下してもパリの南西ロワール地方のオルレアンあたりまでで作られていた陶器です。
テラコッタに白と茶色~黒に近いこげ茶の2色の釉薬が使われています。
土地の香りがするとても味のある自然な陶器です。
今回はいろんな形が溜まりましたので、一気にご紹介いたします。
オーバル皿や丸皿など。
裏のキュ(お尻)の部分の色は様々あり、濃いこげ茶のものや明るい茶色など。
そして特徴的なのが、きれいに入った貫入。
なぜか均等に細かく入るものなんですね。
ファイアンス製のものもそうですが、使えば使うほどに貫入が入ってきます。
これを美しいと思えるのは日本人だからでしょうか。
フランス人の間でも長くきれいでいてくれるポースレンやセラミック製の食器よりもファイアンスの食器に人気があるのは、味があるという観点からなんでしょうかね。
暖かみも感じられる自然な雰囲気です。
逆にリモージュなどに代表するポースレン製の食器や現代のセラミック製の食器にはこの貫入は見られません。
ずっときれいでいてくれる食器がお好みならばあえてアンティークの食器は使用せず、セラミックやポースレン製をお勧めいたします。
釉薬の垂れ方も芸術的です。
上の写真のお皿は珍しく貫入が入っていないキュノワ。
とはいえ大きな貫入がサークル状に入っています。(写真では分かりにくいです)
土鍋と同じ原理だと思いますが、貫入の入っていないキュノワを使う前には煮沸した方が良いのかもしれませんね。
煮沸といってもただグツグツと煮ればよいと言うわけではなさそうですので、ご自身で検索してみてくださいね。
専門家の説明の方が確かですので、ここではあえて説明いたしません。m(__)m
間違ったことをお教えしても大変ですからね。笑
上のものとは正反対に、こちらのお皿は使い込まれて非常に細かな貫入が入っています。
これでもかというくらいに細かい貫入、初めて見ました。
芸術的な。
この貫入を見ているだけで時間が経ってしまいそうです。
ヒビの入っているもの、風化しているもの、コンディションはいろいろです。
擦れたり、貫入がヒビになってしまったり、大きなダメージがあるようなら液体類は使用しないで、フルーツを盛ったり乾きものにまだまだ使えるものですので、工夫して使ってみると更に愛着がわきますよ♡
南仏ではあまりキュノワのお品ものは手に入りにくいんですが、上記のうちのいくつかは珍しく南仏のアンティーク市で一気に出会いましたので、これも縁かと仕入れてみました。
スタンドに並べてあったキュノワを手にするとブロカンターのムッシュは他のお仲間と「日本でムスティエやキュノワが流行っているらしいんだよね」と話していました。
横耳にちらりと聞いて、確かにと思いました。
このスタンドは美しいムスティエのプレートややはりキュノワの美しいプレートを持っていたのですが、そういう事を知っているのでとても高い値段が付けられており、見るだけとなりました。
そのあとにバッタリ他のスタンドで、「これならグルニエイデコでも出せる値段」という価格で売っていましたので、こちらで仕入れたというわけです。
でも、南仏のブロカンターですからキュノワ自体を知らなかったのかもしれません。
(そんな訳はないか。笑)
間もなくグルニエイデコのオンラインショップにお目見えいたします。
お楽しみに!
グルニエイデコのオンラインショップ
http://ideco.ocnk.net/
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