2014年9月20日

フランスアンティーク 19世紀のジアンの白いレリーフカップ 

美しいこのカップは19世紀のフランスの窯ジアンによるものです。

 ほんのり青い釉薬は、19世紀後半によく見られる白い釉薬の色。
クレイユモントローやショワジー、ボルドー窯など、19世紀後半にパリ万博で賞を取るようになる頃あたりから1900年くらいまではこのタイプが見られます。

植物柄のレリーフが美しく。。。
「素敵」だけでは言い表せない表情です。

ですが上から見ると少し歪んで完全な丸い口径ではなかったり、表面に製造時にできたようなキズがあったりします。

 でも、それもご愛嬌。
だから可愛いんです。
全くの完全をお求めならば、新品で十分じゃないですか。
こんな風に、同じ品でもいろんな顔があるから集めたくなるんです。(・´з`・)
すみません、こんな顔文字で。笑

 せっかくいいものをご紹介しているんですから、まじめに。
小さな貫入や、短いヒビの入ったものもあります。
でもまだまだ使えるんですよ。

 縦のラインは、ヒビではなく製造時の型の跡。
今だったらこのような型の跡が残った食器はあり得ないでしょうね。


 年代はパリ万博で賞を取る前のGeroffroy時代になり1871-1875年の間になります。


この大きさのカップは日本だったらコーヒー用の大きさに匹敵すると思います。
しかし、フランスではこの時代に今の日本のコーヒーのようなブレンドコーヒーやアメリカンコーヒーは存在しませんでした。
フランスで今でもコーヒーというとエスプレッソの事なんです。
ですので、この大きさのカップはココア用だったんですね。
ココアが高級品だった時代のカップです。
だからこそ格調が高いんでしょうね。
ジアンなんて高級窯が作っているんですもの。

やはり老舗のポースレン窯Pillivyutピリヴィ社のココアポットも一緒にご紹介いたします。
こちらは比較的新しく1980年代のものです。
かき混ぜる用の撹拌棒はありません。

このココアポットの三足はルイ18世スタイルだと聞きました。
18世紀にポンパドール夫人(ルイ15世の愛人)がココアを作る用のポットを王室御用達のポースレンドパリかセーヴルに頼んだのがこの形の始まりだそうです。

そろそろ温かいものが恋しくなる季節。
秋ですね~。
ちなみに、フランスで日本のコーヒーに匹敵する薄目のコーヒーを頼むときは「アン カフェ アロンジェ SVP」ですよ~。(*^^*)
アロンジェが付くとエスプレッソではなく薄いのが出てきます。
薄いと言っても実はお湯で薄める(alloger)だけですから、お味は日本のコーヒーの方がおいしいと思います。笑
フランスでは郷に入れば郷に従い、で私はエスプレッソをいただいています。。。


<お知らせ>
9/20-9/28の間留守にさせて頂きます。
オンラインショップでのこの商品のご紹介は、お休みを挟ませていただき、9/29以降の更新となります。
よろしくお願いいたします。

グルニエイデコのオンラインショップ
http://ideco.ocnk.net/

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